基礎知識
~暑熱順化~ Enterを押して開閉する
熱中症対策をしよう!
~暑熱順化~
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日本では四季があるため、同じ気温でも初夏に熱中症になる人が晩夏より多くなります。これは「体が暑さに慣れていない」ことが原因です。体が暑さに慣れると、熱中症にかかる可能性を減らすことができます。暑くなる前に、暑さに強い体を作りましょう。
暑さに慣れる「暑熱順化」とは
暑さに体が慣れることを暑熱順化(しょねつじゅんか)といいます。
暑熱順化をすると、次のような良いことがあります。
①汗をかきやすくなる
汗が蒸発するときに体の熱を奪ってくれるので、体が涼しくなります。
②皮膚の血流が増える
体の表面から熱を逃がしやすくなり、体温を下げるのに役立ちます。血液は体の熱も運んでいますので、血流が増加すると、その分、熱も多く運ばれます。血液が皮膚表面の近くを流れたときに、熱が体の外へ逃げていきます。
③汗の塩分が減る
汗の塩分が減る:暑熱順化すると、体が暑さに慣れて汗をかきやすくなります。このとき、汗の量が増えるため、汗に含まれる塩分の濃度が低くなります。つまり、同じ量の塩分がより多くの汗に分散されるため、結果的に汗の塩分濃度が下がるのです。これにより、体に必要なナトリウムを失いにくくなります。ナトリウムは体の機能を保つために重要な成分なので、これが減ることで体調を維持しやすくなります。
これらにより、体温が上がりにくくなる:暑い環境でも体温が上がりにくくなり、熱中症になりにくくなります。
- ポイント
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暑熱順化できていると、うまく熱を逃がして体温調節しやすくなり、熱中症にかかるリスクを減らすことができます。
暑熱順化の方法
日常生活の中で、無理なく適度に汗をかくことで体を暑さに慣れさせましょう。
暑熱順化するには、数日~2週間程度かかります。本格的に暑くなる前から暑熱順化に取り組み、暑さに強い身体づくりをしておきましょう。
①ウォーキング(30分/週5日)、ジョギング(15分/週5日)
- ポイント
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帰宅時に一駅分歩く、できるだけ階段を使うなど、少しだけ汗をかくような動きをしましょう。
②サイクリング(30分/週3日)
- ポイント
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通勤や買い物など日常生活の中で取り入れるといいですね。
③筋トレ・ストレッチ(30分/5日~毎日)
- ポイント
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室内で適度に汗をかく程度がおすすめです。
④入浴(2日に1回程度)
- ポイント
-
シャワーだけで済ませず湯船につかり適度に汗をかきましょう。
いずれも、個人の体調、気候や室温などの環境に合わせて、無理のない範囲で実施しましょう。水分補給・塩分補給を適切に行い、熱中症に注意しながら実施しましょう。
- 高齢者の方へ
-
暑さに強い体を作るための暑熱順化
高齢者の方々にとって、暑熱順化は熱中症を予防するために非常に重要です。暑さに体を慣れさせることで、暑い環境でも体温を調整しやすくなります。しかし、無理をせずに安全に行うことが大切です。
①暑熱順化の必要性
体の適応力向上:暑さに体を慣れさせることで、体温調節機能が向上し、熱中症のリスクを減らすことができます。
健康維持:適度な暑熱順化は、心肺機能を高め、全体的な健康状態の維持にも寄与します。②おススメの暑熱順化体操
Coming Soon!(動画を掲載する予定です)
③安全に暑熱順化を行うためのポイント
- ポイント
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少しずつ始める:
初めは短時間の軽い運動から始め、徐々に運動時間を延ばしましょう。無理をしないことが大切です。
こまめに水分補給する:
動前、運動中、運動後にこまめに水分を摂取しましょう。脱水症状を防ぐために、水やスポーツドリンク、お茶を飲むことをお勧めします。
涼しい時間帯を選ぶ:
朝早くや夕方など、比較的涼しい時間帯に運動を行うことで、体に負担をかけずに暑熱順化を進めることができます。
適度な休憩をとる:
無理をせず、疲れを感じたらすぐに休憩をとりましょう。十分な休息が体の回復に役立ちます。
健康状態に注意:
持病がある方や体調に不安がある方は、医師に相談してから暑熱順化を始めるようにしましょう。安全第一で行うことが大切です。
暑さに備えるためには、無理をせず、少しずつ体を慣らしていくことが大切です。皆様の健康と安全を守るために、無理をせず、自分のペースで暑熱順化を行いましょう。
暑熱順化に取り組むタイミング
①4月中頃
気温25度を超える日もある5月に向けて暑熱順化しましょう。
②梅雨の時期
4~5月に暑熱順化していた体でも、梅雨で涼しくなると元に戻ってしまいます。梅雨の晴れ間や梅雨明けの、暑さが戻ってくる前に暑熱順化しておきましょう。梅雨の時期は湿度が高いため、気温がそれほど高くなくても、体感的には暑く感じるはずです。
- 高齢者への声掛けポイント
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高齢者の方々は体温調節機能が低下しているため、熱中症にかかりやすいと言われています。日常生活で適度に汗をかくよう心掛けることで、暑さに強い体を作ることが重要です。ただし、無理をせず 、こまめに水分補給をするようにしましょう。
参考サイト:
夏目前 熱中症対策 NHK鳥取 新キャスター木下解説「暑熱順化」 | NHK
暑熱順化 | 熱中症ゼロへ - 日本気象協会推進
暑さへの備え | 熱中症ゼロへ - 日本気象協会推進
順天堂大学医学部付属練馬病院 救急・集中治療科長 杉田学先生監修
熱中症対策をしよう!
~水分補給~
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熱中症を防ぐために、日常生活において、こまめな水分補給を心がけましょう。
①室内でも水分補給しよう
エアコンの効いた涼しい部屋にいると、空気が乾燥して知らないうちに脱水状態になることがあります。日中は、1時間に1回程度、コップ半分(約100ml)の水を飲むようにしましょう。
- ポイント
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のどが渇く前に水を飲むことを心がけましょう。
②入浴前後に水分補給しよう
入浴前に水を飲むと、入浴中の脱水を防ぐことができます。入浴後に水を飲むと、体内の水分を補い、血液が濃くなって血管が詰まりやすくなるのを防ぎます。入浴前後には、コップ一杯(約200ml)の水を飲みましょう。
- ポイント
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入浴の前と後、両方のタイミングで水を飲みましょう。
③就寝前、起床時にも水分摂取しよう
寝ている間にも汗をかいて体内の水分が失われます。就寝前と起床時には、コップ一杯(約200ml)の水を飲みましょう。
- ポイント
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枕元に水筒を置いておくのもおすすめです。
- 高齢者への声掛けポイント
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のどの渇きに気づきにくく、体内の水分保持機能が低下している高齢者の方は「かくれ脱水」に注意が必要です。毎日決まったタイミングで水分を摂取する習慣をつけるよう声をかけましょう。
熱中症対策におすすめの飲み物
◎水
◎麦茶
○ジュース
(大量に発汗した際は0.2%程度の塩分を含むスポールドリンク等の飲料を補給することが効果的です。日常的な摂取は糖分、塩分の取りすぎになりますのでご注意ください。)
△緑茶、紅茶
(カフェインには利尿作用があり、大量に飲むと尿が増えてしまいます。しかし手元に緑茶や紅茶しかないときには飲んで水分補給をしっかりしましょう。)
×お酒
(アルコールは利尿作用が強く、飲酒量以上の水分を排泄してしまいます。飲酒後は飲水量を十分に確保してください。)
熱中症対策をしよう!
~食事~
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夏は暑さで食欲が落ちやすいですが、バランスの良い食事をとることで、熱中症になりにくい体を作ることが大切です。暑い夏こそ、主食(ご飯やパン)、主菜(肉や魚)、副菜(野菜)をそろえた食事を心がけましょう。
おすすめの食材
ビタミンB1
炭水化物をエネルギーに変える効果があります。
(例)豚肉、豆腐、味噌、モロヘイヤ、玄米
- ポイント
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ビタミンB1は水に溶けやすいため、なるべく水を使わない調理(蒸す、電子レンジを活用するなど)をする、スープなどの煮汁ごといただく料理にすると効率的です。
ビタミンC
免疫力を高めてくれます。ストレスへの抗体を作ってくれます。
(例)赤ピーマンなどのカラフルな夏野菜、じゃがいも、柑橘類、キウイフルーツ
- ポイント
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ビタミンCは熱に弱いため、長時間加熱しすぎないようにしましょう。
クエン酸
疲れの原因になる乳酸の発生を抑える効果があります。
(例)梅干し、酢、グレープフルーツ、レモン
- ポイント
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運動前に摂取すると効果的です。
1日3食、規則正しくしっかり食べよう
食事はエネルギーや栄養をとるだけでなく、水分や塩分を補給する役割もあります。
特に朝は忙しかったり、食欲がなかったりして朝食を抜く人もいますが、しっかり朝食を食べて、寝ている間に失った水分や塩分を補いましょう。
- ポイント
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運動前に摂取すると効果的です。
- 高齢者への声掛けポイント
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食欲がなくても、あっさりしたものだけで済ませずに、主食(ご飯やパン)、主菜(肉や魚)、副菜(野菜)をしっかりとるようにしましょう。汁物や水分の多い野菜(トマト、きゅうり、ナスなど)を取り入れて、水分補給もできるようにと声をかけるのも良いですね。
熱中症対策をしよう!
~衣服~
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衣服を工夫することは、熱中症対策にとても効果的です。適切な服装を選ぶことで、涼しく快適に過ごすことができます。
熱がこもりにくい服装をしましょう
①風を通しやすい服を選びましょう
ゆったりとした服
袖口や襟ぐりが開いている服
- ポイント
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通気性の良い服がおすすめです。
②汗を吸ってすぐに乾く素材を選びましょう
汗を吸収してくれる「吸水性」と、吸った汗をすぐに乾かしてくれる「速乾性」に優れた素材がおすすめです。例えば、綿、麻、ポリエステルなどがあります。
③服の色も暑さに影響します
白、黄色、薄いグレーなど、熱を吸収しにくい色の服を選びましょう。
- ポイント
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黒、緑、青などは熱を吸収しやすく、暑さが増してしまいます。
屋外では帽子を被りましょう
①つばの広い帽子やネックガード付きの帽子をかぶりましょう
頭や首に直射日光が当たるのを防ぎます。直射日光を防ぐだけで、頭の温度が5~10℃ほど上がるのを防げると言われています。特に長時間歩く際にはネックガード付きがおすすめです。
- ポイント
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サンバイザーは頭部に直接日光が当たるので熱中症対策にはなりません。
②帽子の中にこもった熱を逃がしましょう
通気性の良い帽子を選びましょう。
- ポイント
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メッシュ、麻、麦わら帽子などがおすすめです。
30~40分おきに脱いでみましょう。日陰では帽子を被らないようにしましょう。
帽子に熱がこもったままにならないようにしましょう。
- 高齢者への声掛けポイント
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体温調節がうまくできない高齢者は、寒さを感じて厚着をしてしまうことがあります。薄手でゆったりとした服を選ぶように声をかけましょう。
熱中症対策をしよう!
~外出時の対策~
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暑い時期の外出は、十分な熱中症対策をしましょう。
熱中症対策グッズを活用しましょう
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水分・塩分補給をする
(例)水筒(水・麦茶・スポーツドリンク)、塩飴など -
体を涼しく保つ
(例)ネッククーラー、手持ち扇風機、うちわ、扇子など -
日差しをよける
(例)日傘、帽子など -
温度・湿度・暑さ指数に気を付ける
(例)温度計、湿度計、WBGT測定器、スマートフォンで予報を確認など
涼しい道や場所を選んで歩きましょう
気温が30度でも、日向では頭上からの日射に加え、50℃近くに高温化した歩道や車道からの放射熱があるため、とても暑く感じます。なるべく日向の道ではなく、木陰や日陰の多い道、地下道などを選んで歩きましょう。
- ポイント
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こまめに休憩・水分補給をしながら、絶対に無理せずに行動しましょう。
日傘を差しましょう
日傘を使うと、日向に比べて1~3℃程度涼しく感じます。遮光(太陽の光を遮る)や遮熱(太陽の熱を遮る)機能の高い日傘を選ぶと、さらに涼しく感じます。
- ポイント
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晴雨兼用の傘を持ち歩いておくと、雨の日にも便利です。
- クーリングシェルター・クールシェアスポットを活用しましょう
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外出時は、こまめに涼しい場所で休憩をしましょう。お近くのクーリングシェルターやクールシェアスポットを調べて、活用してください。
令和7年度の都内のクーリングシェルター・クールシェアスポットはこちら
- 暑熱避難施設(クーリングシェルター)
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気候変動適応法に基づき、区市町村長が指定します。公表されている開放可能日等に、熱中症特別警戒情報が発表されたときに開放されます。
- TOKYOクールシェアスポット
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環境局では家庭でのHTTの取組<電力をⒽへらす・Ⓣつくる・Ⓣためる>の一つとして、複数のエアコン使用をやめ、なるべく1 部屋に集まる工夫をしたり、公園や図書館などの公共施設を利用したりすることで涼をシェアするなど、1 人あたりのエアコン使用を見直す「クールシェア」を呼びかけています。
- 高齢者への声掛けポイント
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気温の高い時間帯は、なるべく涼しい室内で過ごすよう声をかけましょう。やむを得ず外出する場合は、こまめな水分補給・休憩を促しましょう。
熱中症対策をしよう!
~室内対策~
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熱中症といえば日差しの強い屋外での発症をイメージしがちですが、室内でも熱中症になる恐れがあります。十分な熱中症対策を行いましょう。
暑い時期は、迷わずエアコンを使いましょう!
①室内の湿度・温度をこまめに確認しよう
温湿度計で室温をチェックし、エアコンを使って室温をこまめに調節しましょう。
- ポイント
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室温28℃、湿度70%を超えたら要注意です。
②エアコンを上手に活用しよう
快適で安全に過ごせるように、柔軟に温度を管理しましょう。エアコンの風が苦手な方は、風向きを変えたり、扇風機を併用したりしてみましょう。
- ポイント
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扇風機を併用して、室内全体に冷気を循環させるとより効果的です。
③夜間もエアコンを活用しよう
夜間は、エアコンのタイマーが切れた後に室温が非常に高くなることがあります。タイマーは少なくとも3時間以上使用しましょう。
工夫すれば省エネになるエアコンの使い方
①暑くなる前にエアコン清掃をしておこう
- ポイント
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フィルターを1年間掃除しないと、約25%の無駄な電気代がかかることがあります。
②暑い日は室外機の周りに打ち水してみよう
- 高齢者への声掛けポイント
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高齢者の方は暑さを感じにくくなっているため、暑さに気づかずにエアコンを使わないことがあります。部屋の温度や湿度が室温28℃、湿度70%を超えたら、要注意です。
- ポイント
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熱くなった室外機の周りに打ち水をすると冷房効率が良くなります。ただし、水を直接かけるのは故障の原因になるので避けましょう。また、よしず等で室外機周辺の大部分を日陰にするのも効果的です。
外から入ってくる直射日光を遮りましょう!
窓から入る熱は室温の上昇に大きな影響を与えます。この熱をブロックすることで、熱中症対策や省エネに取り組むことができます。特に、日射を遮るには、窓の外側に日除けを設置するのが効果的です。
- ①グリーンカーテンやすだれを活用して快適に過ごしましょう!
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- ア グリーンカーテンを活用しよう
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十分に茂ったグリーンカーテンは、日射の熱エネルギーを約80%カットする効果があります。すだれの遮蔽率は50~60%です。グリーンカーテンで壁や地面を日差しから遮ると、放射熱(照り返し)を緩和することができます。グリーンカーテンを作るには、朝顔、へちま、ゴーヤなどがおすすめです。
- ポイント
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暑くなる前(春ごろ)に種をまきましょう。
- イ 簾(すだれ)やよしず
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晴れた日は、簾やよしずなどで日差しをカットすると、室温の上昇を緩和できます。また、風を通しやすい構造で、自然な風を取り入れて室内を涼しく保ちます。さらに、視覚的にも涼しさを感じることができます。簾は軒先などにつるして使用します。簾の材料は、細く割った竹です。一方、よしずは、立てかけて使用します。よしずの主な材料は葦(よし)です。
- ポイント
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室温上昇を防ぐとともに、エアコンの効きもよくなり、省エネになります。
- ウ カーテン
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外出時等にカーテンを閉めて出かけることも、強い日差しが室内に直接入るのを防ぎ、一定程度室内の気温上昇を緩和する効果があります。さらに、遮熱カーテンを使用することで、外からの熱を遮断し、室内の温度を低く保つことも可能となります。
- ポイント
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カーテンを閉めることも一定の効果がありますが、窓ガラスが熱を吸収して室内に放出するのを完全には防げません。グリーンカーテン、簾、よしず等は窓の外側に設置するため、日差しが窓ガラスに直接当たるのを防ぎます。これにより、窓ガラスが熱を吸収して室内に放出するのを抑えることができます。
参考サイト:
グリーンカーテンの涼しさのヒミツ | グリーンカーテンプロジェクト
すだれの効果はどれくらいある?温度管理と環境への優しい選択 | 斉藤建築
- ②熱中症対策にも断熱リフォーム等が効果的です!
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吉田兼好が徒然草で書いた「家づくりは夏をもって旨とすべし」という有名な言葉(「徒然草」第55段)がありますが、現代の気候や生活様式は、兼好法師が書いた鎌倉時代とは大きく異なります。
現代では、夏の暑さ対策はもちろんのこと、冬の寒さ対策にも配慮して、より住宅の断熱性能を向上させることが有効です。断熱性能の向上により、冷暖房の効きがよくなり、省エネと合わせて快適な温熱環境を維持することによる健康への好影響も期待できます。
断熱リフォームを行うべき主な場所は、以下の通りです。- ア 窓の断熱リフォーム
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・断熱窓への取替え
・内窓の設置
- イ 天井の断熱リフォーム等
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・天井に断熱材を導入等
・天井裏の排熱対策
参考サイト:
断熱リフォームで夏本番も快適に! おうちの暑さ対策のコツ | みんなでおうち快適化チャレンジ 家族も地球も健康に | COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。
熱中症対策をしよう!
~打ち水~
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打ち水をすると「気化熱」により気温が下がって涼しく感じます。※水が蒸発するときに地面の熱を奪い、温度が下がります。日本の夏の風物詩『打ち水』で涼をとりましょう。
打ち水の作法
①水を用意する
水の有効利用のため、雨水やお風呂・プールの残り水などの二次利用水を使いましょう。
②水を撒く
朝や夕方に、日陰に水をまくと涼しさが持続して効果的です。昼や日なたに撒くと、水がすぐに蒸発してしまいます。
③涼を得る
古くからの暮らしの知恵「打ち水」を取り入れて、涼しく快適に過ごしましょう。
- ポイント
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バケツと柄杓がなくても、洗面器やボウルに入れた水を手ですくって撒いたり、じょうろや空き容器で水を撒いたりするなど、お家にあるもので打ち水をすることができます。
打ち水の歴史
打ち水の起源は「茶の湯」と関わりがあるとされています。戦国から安土桃山時代を経て成立した「茶の湯」では礼儀作法として打ち水が行われます。
打ち水が庶民にも親しまれるようになったのは江戸時代です。打ち水が俳句や浮世絵にも取り上げられ、涼を得る方法として一般的であったと考えられます。道の土ぼこりが舞わないようにしたり、人を招く時に玄関先や道に水を撒いたりしてお清めをする意味もあったようです。
打ち水の活用アイデア
①ベランダや壁に打ち水してみよう
日射により熱を蓄えたベランダや壁は、室温の上昇の一因となります。打ち水をして冷やすことで、室温上昇を防ぎましょう。
②エアコンの室外機の周りに打ち水してみよう
熱くなった室外機の周りに打ち水をすると冷房効率が良くなります。故障の原因になりますので水を直接かけるのはやめましょう。
熱中症対策をしよう!
~声掛け~
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身近な人、周囲の人が熱中症になってしまわないよう、お互いに見守り、声をかけあうことで、熱中症対策を意識することが重要です。
声かけのポイント
①温度湿度に気を配ろう
声かけ例「暑いですね。涼しい場所に移動しましょう。」「暑い日は迷わずエアコンを使おうね。」
②こまめに水分補給をしよう
声かけ例「水分補給が大事だよ。お水をもって出かけよう。」「少し休憩して、水分補給しませんか。」
③暑さに負けない体づくりをしよう
声かけ例「夏に向けて暑熱順化しよう。毎日一緒にこの体操をしてみよう。」「バランスの良い食事と睡眠が大切だよ。」
周囲の人に声をかけよう
みんなのコミュニケーションで熱中症を減らし、命を救うことができます。
家族
一番近くにいる家族同士で熱中症対策を呼びかけあいましょう。特に熱中症に注意が必要な高齢者、乳幼児は体調の変化や周囲の環境に気を配ってあげましょう。
友人
一緒に出かけたり、行動したりする際は、お互いの体調変化に気を配り、熱中症対策をするよう声をかけましょう。久しぶりに電話や手紙で連絡する際に、熱中症対策を呼びかけることも効果的です。
職場や学校
炎天下での長時間の作業や、運動をする際は特に注意を呼びかけましょう。無理をせず、こまめに休憩をしたり、体調不良を言い出しやすい雰囲気づくりをしたり、お互いに気を配りあいましょう。
ご近所
ご近所の一人暮らしの高齢者の方に、あいさつと共に熱中症対策を呼びかけましょう。具合が悪そうにしている場合は、迷わず声をかけ、処置をしましょう。